森田理論
昔の上司から「ものを頼むときは忙しい人に頼め」という教えがありました。
今回は訳ありでケアマネージャーに病院の紹介状をお願い致しました。転院の理由は「往復のタクシー代が半額」にしたいためです。この理由をケアマネージャーに話したらワタシの思い通り動いてくれて 即 完了しました。この人は職場ではケアマネージャーのまとめ役の班長さんで毎日一番忙しい人と聞いていたので正解でした。この言葉は日常生活では逆に思っていましたが本当なのです。
他にも例を挙げてみると
少々高くても、法律問題は行列のできる法律事務所に頼む。
資格試験の学校を選ぶときは、過去一番多くの合格者を出しているところを選ぶ。
少し待っことはあっても、行列のできるラーメン屋さんに行く。
すぐには引き受けてくれなくても、仕事を頼むときは仕事をいっぱい抱えている人に頼む。
自助グループでもあの人は忙しすぎて、世話役にはならないだろうという人に依頼する。
家でぶらぶらしている人だから、時間は十分あるだろうというような人には依頼しないことだ。
時間が有り余っている人に頼んでも、思っているほどの成果を期待することは無理だと思う。
これを森田理論と言うそうです。「なるほどその通りだ」と思われる人が多いのではないでしょうか。
普通に考えると、忙しい人は頼みごとを雑に扱うので、やることなすことが雑でスキだらけになると考えがちです。忙しい人よりは、時間がたっぷりあって余裕やゆとりのある人がある人のほうが、丁寧に取り組んで期待以上の立派な仕事をしてくれるに違いないと思いがちです。
それは私の経験では間違いだと思います。考えていることと実際があべこべになるのです。森田でいう「思想の矛盾」でがっかりすることになると思います。
これは精神の活動レベルの違いから起きる現象です。忙しい人は、精神が昼間活動しているときは緊張状態にあります。
暇な人は精神が弛緩状態にあるのです。この差は見逃すことはできません。森田理論に「無所住心」という言葉があります。
精神状態が四方八方に張りめぐらされて、昆虫の触覚がピリピリとアンテナを広げているような状態です。こういう状態にあると、気づきや発見が泉のようにこんこんと湧き出ているのです。工夫や新しいアイデアが次から次へと浮かんでくるのです。すると物事に取り組む意欲が高まり、行動的になります。失敗することがあっても、失敗を糧にして、さらに創造力が高まっていきます。
それらの経験がどんどん蓄積されていくわけです。精神が弛緩状態にある人と比較すると、どんどん差が拡がってくるということになります。
ですから「行列のできる・・・」に頼みごとをすると早い、出来栄えがよいという結果ができやすいのです。これは森田的な実践をしていく中で、検証できた事実です。
これを体験して会得すると、行動実践はより活動的になると思います。森田理論に「休息は仕事の中止ではなく、仕事の転換にあり」という言葉があります。昼間活動しているときは、ぼんやりしている時間を少なくして、次から次へと物事本位で家事や仕事を片付けていく習慣を作れば、誰でも精神緊張状態を作り上げることができます。そういう人のほうが、人の役に立つ人間になれるのだということを意識したほうがよいと思います。




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