逃亡者
航空自衛隊の先輩のプログに、面白い記事が載っていた。「敵前逃亡」と書いたら多くの賛否両論が寄せられた。どれも納得だが、通常軍事作戦においては「戦闘中や、戦場での戦闘待機中に部隊から逃げ出すこと」で「脱走と異なる点は『目の前に戦うべき敵部隊が存在する』状態での逃亡行為であること」で、ただの「脱走」よりも罪が重い。「軍人は戦うことが仕事なので、敵前逃亡は任務の放棄と同じ意味を持つのである。また一人が逃げ出すと他の兵士も戦意を喪失してしまい、部隊が総崩れになってしまう危険がある」と軍事辞典(ミリダス)にはある。 34年間、戦闘機乗りとして「見敵必殺」精神を叩き込まれてきた私には、今回の現象は正にそう見えたから書いたのだが、軍事学を教えられていない現代日本人には、安倍氏に対する期待があまりにも大きかっただけに、贔屓の引き倒し的な「同情論」が目立つのも止むを得ない事かも知れない。勿論私も「憲法改正」を堂々と掲げて総理に就任したから、心から期待し応援して来たし、安倍氏個人に対する同情も評価もいささかも変わってはいない。 ただ、今回の辞任劇をつたない私の軍事的体験から見れば、最高指揮官が「作戦計画」を全軍に布告し、自ら陣頭に立って戦うと訓示して士気を鼓舞した直後に、勇躍戦闘配置についた部隊を置いて突如「指揮権を放棄」したように見えたから、これじゃ部隊は戦えないと落胆したのである。今回の安倍辞任劇の総括論です。これでこの話題はお終いにします。お陰様でだいぶストレスから解放されました。ありがとうございました。
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